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自然に身につく..はず?(顔を洗う編)
皆さま、こんにちは。
今年は花粉の飛散が例年より早いそうです。
去年、謎の耳と顔の腫れを4月に一気にくらった私にとっては花粉という言葉を見ただけで嫌な思い出が蘇ってきます。
しかし、花粉も子孫を残そうと必死で頑張っているので嫌な思い出にしてはいけない。
花粉の時期は大好きなコーヒーをいくら飲んでもいいとすることにしましょう。
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さて、日常の自助スキルは結構盲点です。
歯磨きもできるだろう
手洗いもできるだろう
と思っていると「意外と難しいぞ!」と発見することがあります。
そもそもの「自然に習得する」は、大抵の場合は観察学習といわれる見本を見て、それを真似する、という行動の成り立ちの意味で使われることが多いです。
対ひとを見て歩き方を学んだり、TVで言葉の使い方を学び、集団生活の中で遊び方を真似をするというのが行動の始まりである場合がほとんどです(違う時もあります)
そのため、「模倣スキル」が新しい行動を「自然に身につかせる」必要不可欠な前駆のスキルです。
模倣スキルがあれば見ただけで他の人がやっている新しい行動ができるようになり、時間もかかりません。(注意を向けてそれを持続するや音声指示などの並列して他のスキルも必要ですがそれはまた今度)
発達がゆっくりな子は模倣スキルが苦手な場合があります。
模倣対象に焦点を当てられない
焦点は当てられても注意を維持できない
焦点を当てて注意を維持しても、模倣対象の動きを見て自分がどう身体を動かせば同じに動きができるのかがわからない
こんなことが原因で、自然に身につくのが少し難しくなってしまっていることがあります。
さて、これを解決する方法はないのか、が今日のトピックです。
結論、ある。
応用行動分析の考え方にある全課題分析(Total Task Analysis)というものを使っていきます。
杉山 尚子・島宗 理・佐藤 方哉・リチャード W マロット・マリア E マロット(1998)によると「課題分析」はたくさんの行動から成り立っている複雑な行動の連鎖を1つ1つの行動に分解すること、と定義しています。
簡単に言うと
行動をプラモデルのよう分解したり、組み立ててみようということ。
そして、分解された1つ1つの行動を教えてあげようというテクニックです。
そんなことできるの?と思うかもしれません。
だけど、これができるんだな〜
さっそく、今日のお題の「顔を洗う」」行動を分解してみましょう。
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私たちはそんなこと意識したことがないかもしれませんが、実は「顔を洗う」にも非常にたくさんの小さな行動が必要です。
- ①蛇口をひねる
- ②両手を合わせる
- ③両手で水を3秒間保持する
- ④腕を顔の方へあげる
- ⑤両手の水を顔にあてる
- ⑥②〜⑤を3回繰り返す
- ⑦蛇口を閉じる
- ⑧タオルをとる
- ⑨タオルを上下に動かして顔を拭く(このあたりはまだ分解できそう)
- ⑩使ったタオルを洗濯カゴにいれる
以上10行程の行動で「顔を洗う」という行動が出来上がっています。
課題分析では、このように複雑な行動を1つ1つの行動に分けることによって、現在どの部分の行動ができないがために「顔が洗えない」のか、と分析をしていきます。
できない行動が特定できたあとは、そこに必要なプロンプトをいれたり、強化子などを設定してそこの行動のみ補助をしていく型で練習をしたりします。
プロンプトの入れ方はまだすぐに書きます。
普段何気なくやっている行動ですが、意外と分解してみると小さな行動の積み重ねでできているんだなといつも思わされます。
それが1つでもできないとそもそも「顔を洗う」という行動が成立しない。
この視点は今できないことができるようになるためにはとても重要なことです。
できないことも違った視点を持って、練習していけば必ずできるようになるので
一緒に頑張りますよ!
しかし、応用行動分析・・難しいなぁ。
もう少し簡単に皆がとっつきやすくなるようにならないかしら・・
こんなことを考え始めると寝れなくなる・・
今日はここまで!
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