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プログラムの考え方について
こんにちは、皆さま。
セラピーのプログラムを考えるときに基本の考え方は逆算です。
例えば、
「3語分の文章を声を出して音読する」が目標だった場合
文章を読むためには単語を読む必要がある
単語を読むためにはひらがなを読む必要がある
ひらがなを読むためにはひらがなを表出特定する必要がある
ひらがなを表出特定するためにはひらがなを受容特定する必要がある
ひらがなを受容特定するためにはカードを選ぶ行動レパートリーをつける必要がある
などど、こちらは比較的簡単な逆算です。
おそらく、ここから下の逆算が行動分析に馴染みが無い人には難しいのだろうと
思います。
いわゆる受け身の行動量(スカラー)が圧倒的に低い場合において、自発で行動を出すためにはどうしたらいいのか。
行動量が少ないとそれを変容するための行動様式(ベクトル)がほぼ出ていない状態になります。
行動様式は行動量の上に乗っかっているようなものなので、行動量が出ていないとそもそも変容する行動様式もほぼないようなものなので、強化もできません。
強化ができないと行動が増えたり増幅したりしません。
では、行動量を増やすためにはどうしたらいいか。
行動量は随伴性の理解に比例することがあります。
ABAでよく言うところの「〜したら〜だよ」という、行動と結果の等価性の理解です。
随伴性の理解が乏しいと、クレーン行動もしない、もしくはやっても非常に頻度が少ない、何かをしている最中でもすぐに諦めてしまう、そしてその際に叫んだり、泣いたりなどの問題行動もない。
という感じの行動様式になります。
そのため、二次的に自分がした行動に対して成功体験が伴わないためにどんどん行動量が減っていくことになります。
なので、逆に泣いたり、叫んだりしている方が行動の変容がしやすい気がしています。(経験談)
さて、話は戻って「じゃ、行動量が少ない子はどうするか」の答えですが
「意図的に随伴性を経験させてポジティブな結果を経験してもらう」です。
これは、あえてDTTの方が良いと思っています。
DTTで一番簡単なレベルの課題、例えば1フィールドのマッチングや、お椀につみきを入れるなどの課題を数多くすることによって、半ば強制的にプロンプトを入れて強化の結果を経験してもらいます。
この時の1番の目的はスキル習得ではなく、随伴性の理解です。
行動様式は違うものを選んだ方がいいですが、随伴性の理解をつけるときは総じて課題レベルは簡単に。
データを見ながらプロンプト入れずに行動量が多くなってくると随伴性の理解が高まってきたと結論づけても良いと思います。
では、本日はここまで。
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