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スクールシャドーが日本に浸透しない理由を考察

こんにちは、皆さま。

良い3連休を過ごされていますでしょうか。

さて今日も、勝手に考察。

個別の療育を行なっていくと、家庭での悩み事や子どもの成長には非常に密に向き合うことができるのですが、全く手が届かないのが学校での行動の問題。

私たちは月に1回必ずご家族とMTをします。MTの内容は

  • 今のプログラムに問題はないか
  • 提案する次のプログラムに不安や不満がないか
  • 先月からの成功したことは
  • 先月からの困っていることは
  • 今のご家族の優先順位は

などコミュニケーションをできるだけ取って療育の中身にきちんと家族の意見が反映されているかを確認しながら進めます。

しかし、正直に言います。

「家では叩かないんですが、幼稚園(保育園) で人を叩くみたいで・・どうしたらいいですか?」

こういう質問が来るとヤキモキと悩んでしまいます。

基本的な問題行動への改善提案の手順や園への支援案をまとめてお送りしたりするのですが、自分の手が届かないのでなんというか・・空の雲を掴むような気がしてしまう。

どれだけ理論を並べたとて、自分の手で変えられないと相談してくれた家族に申し訳ない。

そのためには、自分が園に入ってスクールシャドーを、と思うのですが、これまたなかなか難しい。

そもそも園の中に外部の人間が入るのが難しい。そりゃそうなんです。

子どもに誰ともわからない人間を触れさせるのは怖いです。

一度、大阪で非常に理解のある園長に出会いシャドーに入らせていただいた機会がありました。

教室の中の先生方もとても親しくコミュニケーションを取ってくれて非常に優秀な方ばかりでした。

そこで思ったのが「のぼりたい山は一緒なんだよな」(この言葉は受け売りです)ということ。

みんな、子どものこと、家族のことを考えて一生懸命戦っている。

その園長が私に教えてくれたのが、市役所の人たちに今回のシャドーを説明しようと思ったらやはり一度は微妙な顔をされたとのこと。

だけど、その園長が

「一回やってみたらいいんです。子どもが必要な支援を入れるのが目的です」と言ったと教えてくれました。

私は元来、悩むのがあまり好きではなく園長と同じで

「一回なんでもやってみたらいい。そして、継続が難しかったらやめればいい」と思ってしまうタイプです。

攻撃力は高いのですが、それに対応するデフェンス力が弱いのでこの辺りは会社の先生方に助けてもらっています。

だけど、自分で手を出せず口だけで「これがいい、あれがいい」というよりも実際に現場で「このやり方の方が、あっちの方が」と効果検証する方がよっぽど気持ちがいいです。

さて、前置きが長くなりましたが「スクールシャドーが日本に浸透しない理由」ですが

これは日本の役割分担があるようでないような業務体系の文化が根本なのか・・

新卒で入社すると2〜3年で部署をコロコロと変える制度があるとも聞きます。

また、児童発達支援施設で専門職として入社したのに送迎をさせられることがあるとも。

カナダに住んでいた時にまず驚いたのが、学校では、教室のクラスルームの運営は担任の先生の裁量権によってほぼ運営されているということ。そして、ABAセラピーのあったバンクーバーではBCBAが学区内に一人いて、加配のサポートはそのBCBAと加配の先生とで担当します。もちろん、IEPと言われる全体の会議(家族、精神科医、担任の先生、BCBA、加配の先生、他の関係者など)はありますが、加配の専門は専門家に任す、という感じです。そもそも学校へ入るときの入り口が違います。

一方で日本は幼稚園教諭や保育士として入社して、現場にいる行動に難しさがある子に出会うことがあります。それをなんとか対応しようと、担任の先生や他のフリーの先生が勉強をしてクラス内の加配が必要な子どもに対応します。先生方は自腹で勉強会に行くこともあると聞きます。

これはまずは入り口で

  • 業務の内容を明確にしていないこと

そして入った後に

  • 専門職に専門職以外の業務をさせていること
  • 人材不足(or人材を内部で調達) などなど

その結果、人材に明らかな差が出ず全員にある程度の力がつき、差のない業務ができるのは良い点だけれど、先生たちが専門とする集団教育の業務から外れてしまうことが発生する事態も。

実際、いくつか保育園や幼稚園を見に行かせていただきましたがどの幼稚園も保育園も素晴らしい先生ばかり。我々が個別の療育の専門家だとすると、幼稚園教諭や保育士の先生方はまさに

「集団教育のプロ」

かなりの仕事量と子どもの数を並行して行いマルチタスクの塊という感じで、我々の力は全く敵いません。

子どもの着替えを見ながら、着替えがおわった子のうがい指導、こちらでトラブルがあった児童の対応、次の給食の準備など。とんでもなく大量の仕事量を並行にこなしています。

これほどまでに大量の仕事をこなしながら、問題行動への対応はやっぱり無理じゃないか、と思う。

「集団」には集団のプロを。

「個別」には個別のプロを。

「問題行動」には問題行動のプロを。

そして、この3者が手を結べば最強のチームにならないだろうか。

皆、登りたい山は同じなんだ。だけど、登り方がちがうだけ。

頂点到達して皆で雲海を見ながら万歳することを願います。

今日はここまで!

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