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視覚支援って必要?
こんにちは、皆さま。
先週、12月振りに東京へ出張に行きました。
新幹線の中からプラットフォームを見るとなぜかアンニュイな気分になる。
東京に着き、まずは渋谷へ。
渋谷で東京の先生達とPECSの勉強会を行い、その後は仕事へ。
セッションは毎日行っていますが、いつまでも慣れることなく毎日新鮮な気持ちで「難しいな」と思いながら手を動かしています。
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さて、今日のお題「視覚支援」って必要?ですが結論・・・
必要。
だけど、重要なことを1つ覚えておいて欲しい!!
そもそも、視覚支援とは?というところですが、こんな感じで写真やシンボルを使って状況理解や言語の指示を音声情報だけでなく視覚情報としても認知してもらうためのツールになります。
このような絵を印刷してラミネートし、適時学習者に見せて使っていくイメージです。
視覚支援は「(音声)指示が通らない」から使用し、「目で見ることによって」行動するように促すために使うと私は聞いてきました。
しかし、これだとなんだか重要なポイントを抑えていない気がしてモヤモヤ。
これだけでは行動の構造分解が足りない気がするのでまずは「指示が通らない」とは一体どういう状況なのか、を理解するために分解をしてみたいと思います。
【指示が通らない】とは一体どういうことなのか?
- ・「すわって」などの音声指示をそもそも認知していない(自分に話しかけられたと認知をしていない)
- ・「すわって」などの音声指示を認知はしているが注意を継続できない(「すわって」と指示を全て聞くのではなく「すわ」の段階で注意がそれてしまう)
- ・「すわって」などの指示に使われた言葉の言語理解のスキルが弱い(「すわって」は全て聞くことができるけれど、「すわって」≒ 椅子にお尻をつけること、と等価性の理解が成り立っていない)
- ・他者に言われた指示を遂行するコンプライアンスの関係性が成り立っていない(指示を聞くことによって強化されるという強化の学習歴史がない、または少ない)
おそらく、この中のどれかが引っかかって指示が通らなくなっている可能性があり
逆にいうと「指示が通らない」わけではなく、「話し手側が指示を通すために必要な聞き手側のスキルを構成する1つ1つの細分化されたスキルのどこかに難しさがあるため指示が通らなくなっている」といった方が正確です。
視覚支援をどれだけ使用しても「指示をそもそも遂行しない」のであれば視覚支援のあるなしに関係なく指示は通らない可能性が高い。
そのため、視覚支援がその効果を発揮するだろうなというのが最後のコンプライアンスの関係性以外のところかと。(コンプライアンスの確立は聞き手側のスキル不足ではないため)
理由としては
- ・視覚支援は物理的なカードのため音声指示を見ることと聞くことによって認知をすることを助ける(行動をするための補助が多いという意味)
- ・言葉だとすぐになくなってしまう指示が視覚支援だと視覚情報として残るため注意を維持するのを助ける
- ・「すわって」の音声指示と同時に「すわって」≒ 椅子にお尻をつけること、という等価性を一目で写真や絵で見せることができるのを助ける
から、となります。
視覚支援は指示を通す時や見通しをつけるために先生達が持っているカードの印象が強いですが
街中の看板や高速道路の標識、カレンダーなんかも視覚支援なんですね。
よって、視覚支援は人が生きていくためには必要だと思います。
が、重要なことが1つ!
街中の看板や高速道路の標識、カレンダーは時代が変わろうともおそらく先の50年の間に日本でなくなってしまう可能性は低いですが、学校で使っている見通しのスケジュール、指示理解のために使っている視覚支援は、年齢や生きていく環境でなくなる可能性があります。
最終のゴール設定をどこにするかによりますが(視覚支援をずっと使っていくというものもちろんOK!)
もし、最後は視覚支援なしで指示を聞けるようになって、見通しも自分で立てていく、ということをゴールにしているのであれば、視覚支援の種類によっては段階的に支援を外していくようなことを意図し、プラン立てないといけないかもしれません。
視覚支援って誰にとっても有難いものなんですよね。
ちなみに私は視覚支援があってもゴミを出す日を間違えるんですが、それはどうしたらいいでしょうか・・
今日はここまで!
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